自分はサーフィン歴1年7ヶ月です。「ミッドレングスのシングルフィンに乗ってみたい!」という事でH.F.BのA1を試乗させて頂きました。普段は5,6ftと6,0ftのショートに乗っています。借りた期間は年を跨いでの約1ヶ月。真冬の小波コンディションが続く中ではショートボードで乗れる波はとても限定的で、上級者の方でも苦戦しながら、ようやく乗れても長くは続かずに終わってしまいます。
借りていた期間中は通算5ラウンドで、コンディションはスネ~セットムネくらいまで乗る事が出来ました。超小波では、周りのサーファーが何も出来ない時でも、しっかりうねりを追いかけてテイクオフが出来ました。これはボードサイズの割に軽さが関係していると思います。持って歩いていても大きさの割に重さはそれほど感じませんし、素材がEPSなのが大きく影響していると思います。波待ちから反転して初速を産むまでさほど苦にならないのは、ショートボーダーがこのA1にチャレンジする上でハードルは低くなると思います。
波のキャッチからテイクオフまでのパドリングですが、ショートで「あと3パドルしたら乗れてたのに!」という波ならもう乗れています。【テイクオフまでのパドリングを諦めさせない】という感触のボードです。それぐらいパドリングしたエネルギーがボードスピードに伝わる感じです。
次に、波に押されたなと感じてからプッシュしてテイクオフまで、全てに余裕を感じます。安定感の中でスピードに乗りながらテイクオフが出来るので、テイクオフが速いと感じれますし、テイクオフ時の目線やスタンスを練習するのにとても効果的です。
テイクオフ後のライディングですが、レールが入ったテイクオフの時は、小波でもコシハラでも「伸び」を感じました。ボードが軽い割にどっしりした波の感触を得ながらアップスでグングン進み、そのまま波の押しに任せてインサイドまでロングライド出来ます。自分はショートの時でもスタンスがあまり広くなく、波に任せて乗るスタイルですが、同じ様なスタンスでA1に乗っていると、あっという間に上陸してしまいます。気持ちいいです!
次にターンですが、自分はこのターンの練習の為にシングルフィンを乗りたいと思って借りたので、テイクオフ出来たら毎回チャレンジしました。結果は「絶対ショートの練習に最適」という感想でした。大きなシングルフィンだけでは、曲がろうとしても普段の体重の掛け方では曲がりません。脚だけでなく上半身だけでもない、しっかりと身体全体の重心を掛けてターンをする練習が今回の5ラウンドだけでも相当数出来ましたし、ターンする時のスタンス幅や目線も余裕を持って意識出来るというのは、なんとか動かそうと思えば動かせてしまう乗り方で、実は乗れていないし見た目カッコ悪いというサーフィンを修正するのに持ってこいだと思いますし、波の上下を使うショートボードの基本練習にもなるんだろうと思いました。
そしてゆっくりと深いターンが出来た時の喜びは格別でした!「ああ、レールをしっかり入れて曲がれたんだな!」と。ひとつ上達出来たんだな!と思えました。
もっと上手くなった時に、良いサイズの波に乗れたらまた違った感想になると思いますが、今回の5ラウンドでは「乗ってて楽しくて勉強させてくれるボード」というのが全体の感想です。
デメリットは無かったです。ドルフィンは難しいですが、プッシングスルーかローリングスルーなどでゲッティングアウトすれば、誰も乗れていない波を掴む幸せが待っているので逆にメリットしか無いでしょう。
とても幸せな時間でした。ありがとうございました!
H.F.B A1 6.8“ 21 1/4” 2 5/8“ 42,24L